

茨城県神栖市よりブログを見て来てくれた
トヨタ セルシオ UCF31 のATF交換です
しかしちょっと難アリで 変速ショック・違和感有り
1.パーキングからドライブに入れるとショックアリ
2.低速走行中・再加速で吹け上がり後 変速ショック
3.走行中アクセルオフでエンジンブレーキ強い
4.信号待ちなどで停止後 再発進でジャダー
5.スキャンツールでは何も出てこない
ATF交換でこの症状が直る保障は無いとの説明はさせてもらいましたが
改善するものもあるかもしれないのでやってみることになりました

走行距離は6万キロなんですが その割にはオイルが汚れていました

まずはオイルパンを取り外し

きれいに清掃します ウエスの汚れがオイルパンの汚れです

色が黒いのでわかりにくいですが だいぶキレイになりました


オイルフィルターはもちろん交換します
これが詰まっていれば油圧が上がらないですものね

うーむ 調べてみるも異常なし
そもそも通常走行はできているので
フルードの劣化が原因での不具合ならば
ATF交換で改善はさせると思うんだが
こればかりはやってみないといけないので
なんとももどかしい

オイルパンを組み付け 抜いたオイルを注入し
オイルチェンジャー トルコン太郎 と接続です

3.5Lは新油ですがフィルターは見えません
使用するオイルは トヨタ純正対応の
純正同等オイルです




新しいATFに入れ替わりました
このまま新油でのミッションクリーニングをしていきます
この状態で走行はできませんが
1.パーキングからドライブに入れるとショック
これなら確認できるのでオーナーにやってもらうと
かなりショックが無くなったたとのことでした
30分ほどのクリーニングの後
変速ショックやジャダーに強い
ワコーズ ATF セーフティースペック
へ入れ替えることになりました

ミッションクリーニングでだいぶキレイになったと思いますので
一気に WAKO'S ATF S-S へ完全圧送交換していきます




新油と変わらないくらいまで透明度になりました

オイルチェックで抜いたオイルと比べて ここまでキレイになりましたよ

この後は エンジン ミッションを冷まし 診断機のデータモニターで
AT油温を確認しながらATFを規定値にあわせる作業です
一度常温にまで冷やさないと調整できないので
時間がかかってしまう作業ですが やらないといけないので
手抜きはできません
さて オイル量調整後 試運転をした結果です
1.パーキングからドライブに入れるとショックアリ
少しあるが大分よくなりました
2.低速走行中・再加速で吹け上がり後 変速ショック
試運転では感じられません
3.走行中アクセルオフでエンジンブレーキ強い
試運転では感じられません
4.信号待ちなどで停止後 再発進でジャダー
最初よりはかなり軽減されているが無くなった訳ではない
5.スキャンツールでは何も出てこない
これで走行していてもらい少し様子を見ます
オイルが劣化しての不具合でしたらATF交換で改善されますが
ミッション本体やセンサーなどが壊れている場合には
直りません すべてが直る魔法では無いので
ご理解してくださいね
***********************************************
追記
交換後しばらく走ってもらいオイルが馴染んで来たころ
ATF学習値を初期化してみました
通常走行では何も違和感がなくなり快調になったんですが
4.信号待ちなどで停止後 再発進でジャダー発生
これだけが直らずにいましたが
ABS/VSC のバックアップメモリを初期化すると
「VSC OFF」のチェックランプは点灯するもの
ジャダー症状は出なくなり
ヨートレートセンサーとGセンサーの0点補正 の学習をすると
「VSC OFF」のチェックランプは消えジャダー症状再発
うーん なぞです ちなみにチェックランプは付きません
******************************************************
さらに追記です(2019/10)
上記の ジャダー症状を
「N制御ショック」と自分は呼んでいます
「snow」ボタンを押しますと2速発進になり
ジャダーは出なくなります
もしかしたらの可能性なんですが
ディーラーさんに行きジャダーショックの症状を伝えてください
「Gセンサー」ON OFFで症状が出なくなるのであれば
ECUプログラムの更新で直るはずなんです
はずなんですが 直す気がないのか
やる気がないのか直ったという人は聞いたことが無いです
でも見なさんが行って症状を言わないと
更新プログラムを作らないので ダメもとでも
足を運んでOBD2に診断機を刺してきてください
症状を伝えて来てください
プログラムエラーだとしたらこれで直るはず
もう一つの可能性の話です
この症状はATF交換では直りません
ミッションに対して圧倒的かつ過度な負荷をかけたことによる
ミッション内部 クラッチ版の破損が原因です
劣化してしまったATFのままでホイールのインチアップや
ワイドトレッドスペーサー・車高変更・急発進・急加速などです
これをしてしまうと内部が破損しますのでミッションを
オーバーホールをするか交換するかの2択です
この症状が出てしまいこのページに行きついてしまった場合
諦めて リビルトミッションの見積もりを取ってください
こうならないためにどうすればいいのか?
という話も書いておきます
インチアップなどをする前に ショックに強いATFに入れ替える です
これが唯一できる対策です
でも壊れない限りこのページには行きつかないので
行きついてしまったら もしかしたらATF交換で直るかも
という希望は持たないほうがいいですよ
確実に直りません